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【読書記録/感想】ホリエモンの『ゼロ』がすごい!~中高生にこそおすすめの1冊~

仲の良い友人に勧められ、堀江貴文さんの『ゼロ』を(今更)読みました。 この本は、堀江さんの反省を綴った自叙伝です。 プロローグからエピローグまで、終始「働くとは何か」について書かれています。

僕は4月から社会人として「働く」ことになる身です。 今このタイミングで『ゼロ』読めたこと、本当に幸運でした。

しかしその一方、この本にもっと早く、 例えば中学生や高校生といった、 もっと若い頃に出会いたかったなとも思います。 それは、自分がスタートライン=『ゼロ』 地点に立っていることを意識するのが早ければ早いほど、 有利だからです。

この本には色々なエッセンスが凝縮されていますが、 今回は、「中高生にこそ読んで欲しい」と僕が思う見どころを、 厳選して紹介したいと思います。

ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく [ 堀江貴文 ]


感想(47件)

中学生のホリエモンが「働く」ことで得た哲学

お金のための仕事

堀江さんは、中学生の時に両親にパソコンを買ってもらい、そのときのツケを払うために、新聞配達のアルバイトをしていました(中学生は原則アルバイト禁止ですが、新聞配達に限っては許されています)。

朝が弱いのにもかかわらず、パソコン代の20万円を払うために、 朝5時台に起床して新聞配達をしていたそうです。

堀江さんの凄いところは、このアルバイトで「根性がついた」とか、「働くことの大変さを知った」という陳腐な感想でまとめているわけではなくて、 新聞配達という仕事からは「何も学べなかった」ときっぱり述べている点です。

自分が時間をかけて取り組んだことって、正当化したくなりがちですが、 何も学べなかった、とネガティブな面も客観視できることは凄いと思います。

似たような経験で、 僕もマクドナルドでアルバイトをしていたことがありましたが、 そこで学べることは思ったほど多くないなと、今では思います。

確かにマクドナルドの接客における礼節やマナーは学べましたが、 それはどこでも通用するグローバルな解であるとは言えません。

これらを無理に美化/正当化せず、 冷静に見つめ直すことが、 自分を偽らない生き方なのかもしれません(少々脱線です)。

働く意味を実感できる仕事

本題に戻ります。 堀江さんは中学生の時に、 何も学べなかった「新聞配達」のアルバイトだけでなく、 働く意味を実感できる仕事にも出会いました。

それは、塾のパソコンのシステム移植でした。

当時から大好きだったプログラミングの能力を生かし、 誰かの役に立ったことが、 達成感や誇らしさを産んだ、と述べられています。

「お金のためにする仕事」の陳腐さ、「自分の能力を生かし、誰かの役に立つ仕事」の素晴らしさ、 その二つを中学生で体験することは、 どれだけ大きな財産になるのでしょうか。 僕には計り知れません。

アルバイトを始めようとしている高校生がいたら、 まずこの本を読んで欲しい。 時給の欄だけでなく、多角的な観点から仕事を俯瞰し、 アルバイトを選ぶ経験がきっと将来生きるはずです。

現在中学生や高校生である人たちが、 この本を読めることが羨ましい。

努力ではなく「ハマる」こと

受験時代

プログラミングの魅力に比べ、 学校の勉強が馬鹿馬鹿しいと感じてしまった堀江さんは、 成績的に落ちこぼれてしまったと言います。 しかし、堀江家や地元の閉塞感から抜け出したく、 勉強して東大を目指すことに。

この時、コスパがいい英語を重点的に勉強することにし、 単語帳の英単語を端から端まで覚えていったそう。 鬼の努力だ、と思うかもしれませんが、 当の本人からしたら、努力しているというより「ハマる」、「没頭する」感覚だったと言います。

懲役期間ですら感じたやりがい

懲役のような単純な労働作業ですら、 やりがいは感じられると言います。 例えば、堀江さんの東京拘置所での最初の仕事は、 紙袋を時間内にひたすらおる仕事でした。

時間内にノルマよりどうすれば多く折れるか、 他人を見て研究したり、 自分なりの折り方を再構築し、さらに上達していく。 そうすれば、最初折れた数より、 たくさん折れるようになっていき、 やりがいを感じられるというわけです。

やりがいとは、どこかに転がっているものと思いがちですが、 実は、自分で創意工夫し、 上達していく過程で得られるものなのではないでしょうか。

仕事や勉強がつまらないなぁという人は、 目の前の「作業」に目を向け、工夫を凝らし、 昨日の自分より一歩上達する気持ちで日々を生きれば、 きっと向上できるはずです。

誰かではなく、自分が作った「ルール」に従う

何かに「ハマる」、没頭するために必要なことは、自分でルールを作ることだと言います。誰かに能動的にやらされている作業はやる気が出ないものです。

だからこそ、自分が1日でギリギリ達成可能な目標/ルールを作り、自分に課すことが大切です。自分で立てた目標/ルールだからこそ、納得感を持って取り組めるし、そのルールに従って成長していく自分を感じられたら、没頭のスパイラルはきっと、正の方向に加速していくことでしょう。

親子のつながりと自立

親子関係を大切にすることとは

『ゼロ』では、堀江さんが育った堀江家の説明に紙幅が割かれています。 愛情表現が苦手な仕事人間だった父から、服役中に手紙が届いたそうです。

いろいろ大変なこともあるだろうけど、がんばれ。

この一文に、僕は感情が揺さぶられました。 堀江家の親子関係のすべてのコンテクストを知っているわけではありませんが、息子の身に何があっても、そっと背中を押してくれる父という存在に、どこか暖かみを覚え、僕は不覚にもホロリと涙してしまいました。

親から自立するとは

しかし、堀江さんは、そんな父の手紙に返事を出さなかったそうです。 返事をしてしまうと、泣き言を言ってしまいそう、そうすれば、親から自立した大人でいることはできない。

経済的に自立することや、一人暮らしを始めることだけでなく、 自分の生きていく道が、親とは独立したものなんだと覚悟をすることが、親からの真の自立なのだと思いました。

「0」に「1」を足すこと

この本で強調されていることは、本のタイトルにもなっている、 『ゼロ』というスタートラインです。

ここからは、僕の解釈も交えて、 『ゼロ』という地点を考えていきたいと思います。

スタートラインから一歩踏み出すこと

何かに挑戦する(スタートラインの)自分の地点は「0」。 そこから、成功者(少なくとも0ではない地点に立っている人)の猿真似をしようとするのは、0に何か他の数字をかけるようなもので、結局自分の立ち位置は0のまま。

大事なのは、ゼロであることを自覚し、 小さいながらも一歩踏み出して前に進むこと。

そしてその一歩が、積み重なっていくことで、 気づいた時には何者かになっているのではないでしょうか。

僕の好きなバンドである、BUMP OF CHICKENの『カルマ』という曲の歌詞に、

知らなきゃいけないことは、どうやら1と0の間

というものがあります。

数直線上で目盛りが降ってあるのは、大体整数部分です。 1,2,3,・・・と数直線は続いていくけれど、0と1の間にある小さな数たちには、あまり目が向けれられません。 でも、本当に大事なのは、そういう0と1の間にある物事なのでしょう。

地道にこそ隠れている近道

よく、人生遠回りしろ、みたいなことを聞くこともあります。

この言葉を『ゼロ』的解釈で言うなれば、 スタートラインで右往左往しながら近道を探す前に、まずは一歩を踏み出し、 地道に一歩ずつ歩いていけ、ということなのだと思います。

数日前に読んだ、働き方の損益分岐点も、「土台を積み上げろ」という同じような結論で締めくくられていました。

slmnphmet1-2.hatenablog.com

僕で例えると、新入社員という社会人の『ゼロ』に立っているわけです。 そのことを忘れず、目先の結果や勝ち負けに振り回されることなく、積み上げていく自分でありたい、そう思えました。

最後に

この本は、堀江さんの半生を綴った自叙伝です。 今回かいつまんで取り上げた内容以外にも、 母親に包丁を突きつけられた話や、 東大の学生寮時代のアルバイト等、 衝撃的かつ刺激的なストーリーが満載です。

この記事で興味を持たれた方、もう一度読み返そうと思われた方は、 是非本を手に取ってみてください。